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    同時進行していたモーツァルトとハイドンの好取合せ
    DE DGG SLPM139 191 アマデウスSQ モーツァルト&ハイドン・弦楽四重奏曲
    DE DGG SLPM139 191 アマデウスSQ モーツァルト&ハイドン・弦楽四重奏曲
    DE DGG SLPM139 191 アマデウスSQ モーツァルト&ハイドン・弦楽四重奏曲
    DE DGG SLPM139 191 アマデウスSQ モーツァルト&ハイドン・弦楽四重奏曲
    本盤はモーツァルトの「ハイドン・セット」集に含まれる《弦楽四重奏曲第16番 変ホ長調 K.428》とハイドンの「エルデーディ四重奏曲」集に含まれる《弦楽四重奏曲第76番ニ短調作品76-2「五度」》の組み合わせ。「五度」のタイトルは冒頭のテーマの特徴的な音程の意味。
    1楽章は全体を通して五度が使われていて見事。ハイドンの今までの集大成的な意味合いが強く、よりメロディアスになっています。この『五度』の音程は「モーツァルトの5度」と称されるほどに、モーツァルトの最初の交響曲第1番には作曲学において御法度である平行五度が3箇所ある。しかもそれは表出る使われ方でもなく、その後も隠し味同然に頻繁に使用されるモーツァルトの音符の署名のようなもので、レクイエムの絶筆となった箇所が同じく禁則の空虚五度でした。でも、その禁じ手がモーツァルトの音楽を聴いていてしびれさせるのです。
    ちなみに、ベートーヴェンの交響曲第6番や交響曲第9番を空虚五度で開始しているのはハイドンやモーツァルトの延長線上にあるように、意志が働いたかのように思えるのである。

    DE DGG SLPM139 191 アマデウスSQ モーツァルト&ハイドン・弦楽四重奏曲
    DE DGG SLPM139 191 アマデウスSQ モーツァルト&ハイドン・弦楽四重奏曲
    元気を出したいときによく聴く、不動のメンバーが晩年に残した珠玉のハイドン。アマデウス弦楽四重奏団は1948年に結成され、1987年に活動が停止するまで、約40年もの長きにわたり演奏活動を続けてきました。アマデウス四重奏団の演奏は、はじめて聞くアマチュアの演奏に「良い曲だな」と思う時に似ている。そういうところからか何度聴いても、初めて聴いた時の感激と興奮が戻ってくる。常に同じメンバーで、アンサンブルに磨きをかけ続けたアマデウス弦楽四重奏団が、晩年に残した珠玉のハイドン作品集。
    第1ヴァイオリンであるブロイニンの艶のある音色、ロマンティックな歌いっぷりの良さ。他の楽器もそれぞれ主体的に動き、爽やかでイキの良いアンサンブルを構築します。 演奏者の感情のノリや思いがストレートに表され、輪郭クッキリ、強弱ハッキリ。歌いまわしもたっぷりと表情豊かでありながら、抜群の落ち着きと品位を保っています。
    その演奏スタイルは格好良さとは無縁、一所懸命だけど全然厳しくなく、心底アンサンブルを楽しんでいる仲間たちの姿が伝わってきて、とっても微笑ましく音楽を聴く楽しさを享受するのにアマデウス四重奏団とハイドンとの相性は最高です。一種の鋭さがある60年代後半のアマデウス四重奏団のハイドンと、モーツァルト。モーツァルトが頻繁に使った作曲の禁じ手とされる五度を使ったハイドンと、ハイドンに捧げたモーツァルトの組み合わせが憎い。

    Cello – Martin Lovett、Orchestra – Amadeus-Quartett、Viola – Peter Schidlof、Violin – Norbert Brainin, Siegmund Nissel。1966 Release。